家族以外で選ぶとしたらやっぱ舞城さんがぶっち切りだなー
舞城王太郎とは何者なのか
福井出身で1973年生まれ、4度の芥川賞候補(まだ受賞はしてません)。以上!性別や今住んでるところ、顔も本名も不明。もちろん家族構成も不明。三島由紀夫賞の授賞式に初欠席するほど、どこにも顔を出さない。
ただし、以前「龍の歯医者」というアニメーションに監督として参加したとき関係者各位とは普通に会って熱い議論をしたらしいし、かたくなに顔を出さない主義って訳でもないらしい。
その時の舞城さんはかなり明るくてよく喋る人だったらしい。あとは弟がいるとかなんとか。これくらいしか情報がない。
舞城最高傑作、ディスコ探偵水曜日
舞城王太郎の最高傑作と名高い、ディスコ探偵水曜日。上下巻で1000ページ超えの正真正銘、超長編!(上中下巻の単行本が出たため現在上下巻は出版やめたようです)
僕の人生に多大すぎる影響を及ぼし、毎年夏に「巡礼」と称して読むようになってしまったくらい。すでに4回巡礼した。1000ページを4回再読させてしまう、これはそういう力のある作品です。ほんとすごい!
超緻密に計算されたディティール
僕はこれまで4回再読したのですが、毎回毎回それまで気づかなかったことに気づかされます。毎年それなりに知識をつけて再読に臨んでいるのですが、その年に学んだ知識がないと分からないような描写が緻密に張り巡らされています。
舞城さんはここまで計算しつくして1000ページ超の長編を練り上げているのでとてつもなく頭がキレるのでしょう。東大出身と言われても驚きません。
僕なんかよりも遥か上を進んでいるのにどこか俗世的な小説を書く舞城さん。不思議な人です。
そこはかとなく香る暴力の香り
そして頭のいい舞城さんですが、実は舞城さんの作品を読んでいると毎回 "暴力の匂い" がします。
しかも、おそらく実体験が元になっていると思われます。実体験でないにしても近い誰かがヤンキーだったなど、とにかくヤンキーとなんらかの繋がりがないとかけないような作品ばかりを舞城さんは書きます。
この暴力というのも舞城さんのテーマの一つのようです。
暴力と言っても大体主人公の方がケンカが強いので読んでて安心できます(?)。
LOVEと世界というテーマ
このLOVEと世界についても舞城さんは主軸に据えて小説を書いています。舞城さんの書く小説では一貫して「愛と暴力と世界」がキーワードです。
このディスコ探偵水曜日でも愛は出てきます。そしてディスコ探偵水曜日の結末で主人公の愛について結論が語られます。主人公は自分の愛のために全てを捨てるのです。
福井という土地
舞城さんの作品は「福井県西暁町」と「東京都調布市」がよく舞台になります。福井県西暁町は架空の町です。
福井県出身だから福井県を舞台にしている、という単純な理由でないような気がします。福井といえば日本のど真ん中、関西寄りの地域です。日本海に面していて雪もまあまあ降ります。メガネ生産量も国内の9割を占めています。しかし、それくらい。失礼ですが、特になにかに秀でてる、注目を浴びる県ではないですよね。人口は43位、面積は34位。中くらい。
この「真ん中である」福井がキーワードのような気がしてなりません。
とにかく舞城さんが好きで仕方がない
まだ僕自身、実は全小説読みきってません。今年中には制覇したいですね。スピード感ある、全力フルスロットルなのに練り上げられている舞城小説、ぜひ一読を。
…なんかあまりまとまってないなこれ。